月が綺麗ですね

夏目漱石がI Love Youをそう訳したそうです。

『ジョーカー』狂気の“悪のカリスマ”の誕生

トピック「ジョーカー」について

 

話題沸騰の映画『ジョーカー』について、さらに掘り下げていきたいなと思います。

ネタバレあり

 

www.gizmodo.jp

theriver.jp

等々、公開後すぐに、映画館側が「子供に見せないように」と警告したり、脅迫や、不審者の出現で警察が出動したりと、映画のみならずいろんな面で話題となっている『ジョーカー』

 


Joker | Final Trailer | Experience it in IMAX®

バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。これまでジャック・ニコルソンヒース・レジャー、ジャレット・レトが演じてきたジョーカーを、「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスが新たに演じ、名優ロバート・デ・ニーロが共演。「ハングオーバー!」シリーズなどコメディ作品で手腕を発揮してきたトッド・フィリップスがメガホンをとった。第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、DCコミックスの映画化作品としては史上初めて、最高賞の金獅子賞を受賞した。

映画.comより引用

 週刊はてなブログのまとめ

どれもこれも面白い内容でした。

blog.hatenablog.com

 

歴代ジョーカー

ジョーカーは元々バットマンの敵役として登場、DCコミックスに登場するヴィラン(悪役)の中でも人気のキャラクターだ。ジャック・ニコルソンティム・バートン監督の『バットマン』で、故ヒース・レジャークリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』で、さらにジャレッド・レトが『スーサイド・スクワッド』でジョーカー役を務めてきた。そして今回の映画ジョーカーでは、ホアキン・フェニックスが“孤独な男”を演じています。

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Jared Leto, Jack Nicholson, Heath Ledger

はっきり言います、『ダークナイト』のヒース・レジャーが演じてるジョーカーがダントツで一番かっこいいです。

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Heath Ledger

 

ピエロメイクにグリーンヘア 

ジョーカーの特徴といえば、白塗りのピエロメイクに、緑色のカーリーヘアという誰でも知ってるピエロの姿です。ピエロとなにが違うかってのは、ビシッとカラフルな(主に紫の)スーツを着ていて、不気味な笑いとキレの良い頭です。マーベル然りDCなどアメコミのヴィラン(悪役)にしては特殊能力があったりするわけではないのは異色の存在です。ジョーカーは劇場的な犯罪で人々の心を悪に染めていき悪に落ちた人々のヒーローとなります。

 

紫のスーツってのが、僕個人的には一番好きなポイントです。

 

 

そういえば、日本にもジョーカーの特徴:白塗りに正装(着物)にマッチする人がいますね。

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コウメ太夫

チークショーで一時大ブームとなったコウメ太夫。結構好きです。

 

『ジョーカー』になる要素は誰でも持っている

『ジョーカー』の物語はシンプルでネタバレを読んでも問題なく観れると言えるかもしれない。

アーサー(ホアキン・フェニックス)は、ゴッサムシティの貧民街で母親の世話をしながらコメディアンを目指しているが、彼は突然意味もなく笑い出す病気(癖?)があり、周囲からも「気色悪い」と距離を取られている。

そんなアーサーは、電車で突発的に人を殺してしまい、ジョーカーへと変貌を遂げていきます。その過程で、人を笑顔にしたいと言うアーサーの願望も歪んでいきます。

『ジョーカー』の話がどう言うものなのかと言うのは、2分半ほどの予告映像から全て分かってしまいます。

これだけかと言われたら、ある意味これだけです、予告映像にない新しい話はありません。

 

しかし、なぜ『ジョーカー』に魅せられて、皆がTwitterやブログで感想を書き綴るのかと言われたら、2時間近く等身大のアーサー・フレックという男の悲劇を見せ続けられると、知らず知らずとだんだんアーサーに感情移入してしまうからだ。

ボケた母の世話をし、ボロい街外れのアパートに住む、痩せこけた肉体のおじさんが、青年たちに襲われる姿を見ると同情せずにはいられない。

コメディアンとして、観客を自分のネタで笑わせることが彼の理想であるが、人々の笑いから”ズレた”ネタや、突発的に笑い出す病気(癖?)は、むしろ彼を「笑いもの」とさせてしまっている。

 

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ジョーカー

これがとても痛々しいのだが、同時にとてもリアルなのである。他のコメディアンを見ているシーンが一番痛烈にリアルを感じるところであった。周りの観客は全員笑っているが、その笑いが一切わからないアーサーは、時間差で周りに合わせて笑い出すのだ。面白くも思ってないのに笑う姿は「Theコミュ障」である。

ホアキン・フェニックスの怪演がさらに、我々を感情移入せずにいられなくさせる。不気味な笑いをナチュラルに落とし込み、苦悩に悩まされるアーサーの内面だけでなく、とてつもなく痩せこけた肉体を作るのは一筋縄に行かなかったであろう。

 

アーサーが証券マンを地下鉄で突発的に殺した時、彼の人生は一変し始める。富裕層への不満を抱える貧困層の市民たちが、ニュースや新聞を見て彼の行動を称賛し出すのです。ピエロがやったというのが広まったこともあり、市民は同じようにメイクをしたり仮面を被り各地で暴動やデモを繰り広げるようになりました。

ジョーカーとなったアーサーは、気に入らない人間を殺すことが何より面白いと感じていきます。銃を渡してきた同僚も殺し、終いには、ずっとTVで憧れてきたマーレイ(ロバート・デ・ニーロ)をも、自分を笑い者にしたということで生中継ながら射殺します。

感化された市民は、暴動をより激化させ、ジョーカーを彼らのヒーローとして祭り上げます。

 

上映時間の3/4がアーサーの苦悩や惨状を描いているため、いつの間にか感情移入していると、ジョーカーになったアーサーにも共感しかねない。共感し、この作品を楽しんでしまった一部の観客は、『ジョーカー』をSNSで賞賛し拡散したり、ジョーカーに憧れてなろうとしてしまうだろう。

そんなことが本当に起こってしまうのがこの映画の怖いところだ。一見、警鐘映画としてつくられていそうだが、一部の人間を刺激する劇薬映画なのかもしれない。

 

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「 俺の人生は悲劇だと思っていたが、じつは喜劇だと気づいたよ」

今作は、ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した。そんな作品は一人の男の惨状をまじまじと描いている。

 

日本に限らず世界中にいる、同じような境遇の人はいっぱいいることが容易に想像できる。貧困に苦しみ、社会から疎外される人に、不運が重なったら道を踏み外すかもしれない。そんな人間の脆さが描かれ、ひしひしと伝わってくる。

 

劇中、マーレイは「これが人生」と語りかけ、アーサーは「俺の人生は悲劇だと思っていたが、じつは喜劇だと気づいたよ」と答えるシーンがある。悲劇か喜劇かどう受け取るのかはあなた次第。

 

個人的にエンディングでバットマンビギンズの始まりのようなシーンをわざわざ描く必要はなかったと思っている。マーレイを殺し、カメラで亡骸と一緒にズームされたジョーカーで終わりでよかった気もする。

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